トリコモナス症は性感染症の中でもポピュラーなもので古くから知られています。トリコモナス症に感染してしまうと自分だけでなく、パートナーをも傷つけてしまう可能性があります。トリコモナス症の感染原因や症状について理解しておくことで早期の治療に役立ちます。そこでこの記事ではトリコモナス症の原因や症状、治療方法について解説していきます。
トリコモナスの原因
トリコモナス症とはトリコモナス原虫による感染症です。トリコモナス症の感染によってHIVへの感染や未熟児の出産率が増加するとの指摘もあるため、放置しておくのは非常に危険な感染症です。
また、日本では減少傾向にありますが、一度感染してしまうと再発を繰り返してしまう難治性の症例が少なくないため、しっかりと治療していくことが重要です。
主に性交渉によって感染しますが、タオル、下着、浴槽からの感染の可能性も十分にあるので、性交渉の経験のない方でも感染することがあるのです。公衆トイレの便座でも感染してしまうことがあるので、自宅外のトイレを使うときには便座をアルコール消毒するなど感染予防をすることが大切です。
トリコモナスの症状
トリコモナス症に感染したからといってすぐに症状が現われるわけではありません。トリコモナス症の潜伏期間は5日~1ヶ月程度とされており、潜伏期間中にパートナーに移してしまうことに注意が必要です。
潜伏期間を終えても男性の場合には症状が出ないことが多いです。症状が出た場合には、尿道炎のような排尿痛を伴うことがあります。
男性と比較すると女性の方が症状は出やすいです。陰部のかゆみや痛み、膣内の抵抗力がなくなるため細菌が繁殖して魚が腐ったような悪臭が特徴的な症状です。
トリコモナスの治療
トリコモナス症にはメトロニダゾールと呼ばれる抗原虫、抗菌薬が用いられます。
男性の場合には内服で治療していきます。メトロニダゾールを10日間服用します。
女性の場合にはメトロニダゾールの内服10日間に加えて膣錠を用います。膣錠とは錠剤を膣の中に入れて、膣内の分泌液によって徐々に溶けて効果を現していきます。
また、治療する際にはパートナーと2人で同時に検査と治療をしていく必要があります。本人のトリコモナス症が完全に治療できたとしても、パートナーが感染していれば再発を繰り返してしまう可能性があるのです。
トリコモナス症に感染している可能性をパートナーに話すことで浮気が疑われてしまうと1人で検査を行う方も多いですがそれは間違いです。タオル、銭湯などでも感染することをしっかりとパートナーに伝えて理解を得て、必ず2人で検査をしましょう。