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ピロリ菌(内科領域)

Last updated on 2019年3月27日

最近ではピロリ菌の検査をしましょうという啓蒙活動を目にする機会も多くなってきました。ピロリ菌が発見されたのは1980年代に入ってからであり、ここ最近の話です。胃の中にピロリ菌がいる場合には早期に除菌することが重要です。そこで、この記事ではピロリ菌の原因はなのか、ピロリ菌の症状や治療法、予後について解説していきます。

ピロリ菌の原因

ピロリ菌の原因は糞便に汚染された植物や水を摂取することによって感染します。そのため、衛生環境が大きく関係しており、発展途上国ではピロリ菌の感染者が多く見られます。
日本でも衛生環境が悪かった時代を生きていた60歳以上の感染率は80%程度であるのに対して、衛生環境が整っている時代を生きている10代以下の感染率は10%以下とされています。

ピロリ菌の症状

ピロリ菌に感染したからといって何か自覚症状があるわけでありません。
ピロリ菌感染によって胃炎や胃潰瘍、胃がんなどが引き起こされるため、その時に初めて胃の痛みや胃のむかつき、吐き気などの自覚症状が現われます。
そのため、消化器疾患を引き起こしてしまう前にピロリ菌感染を発見して早期に除菌することが重要なのです。

ピロリ菌の治療

最悪は胃がんを引き起こし、命の危険にある疾患につながってしまうピロリ菌ですが治療は意外と簡単です。
プロトンポンプ阻害薬と呼ばれている胃酸の分泌を抑える薬とアモキシシリン、クラリスロマイシンの2種類の抗生剤、合計3種類の薬が治療に用いられます。これらの薬を1日2回7日間続けて服用するだけで治療は終了です。治療の成功率は80%程度であり、ほとんどの方がこれでピロリ菌の除菌は完了します。もしも、このピロリ菌1次除菌に失敗してしまった場合には、抗生剤の種類を変えてピロリ菌2次除菌を行います。2次除菌まで含めた全体の除菌率は90%を超えているため、よほどのことがない限りピロリ菌が除菌されます。これらピロリ菌除菌は保険適用で治療できるため、定期的な検査をしてピロリ菌が発見された場合には早期に除菌しましょう。

ピロリ菌除菌の注意点

ピロリ菌除菌の際には、比較的多めの抗生剤を投与することになります。そのため、下痢の副作用が出ることが多いです。治療では1週間飲み続ける必要があるため、スケジュール調整を行いましょう。旅行などの予定がある方はその旨を医師に相談すると適切なスケジュールを組んでくれます。
また、ピロリ菌除菌に用いられる抗生剤にアレルギーのある方も注意が必要です。アレルギーがある旨を医師や薬剤師に相談しましょう。