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梅毒の治療

Last updated on 2019年3月28日

最近、日本で増加の一歩をたどっている性感染症があります。それは、梅毒です。江戸時代では梅毒は治療方法がない死につながる疾患として恐れられていました。医療の発達からペニシリンが開発されてからは梅毒の治療に成功して梅毒の発生件数は激減しました。しかし、梅毒は再流行しておりピーク時ほどではないものの現在も増加傾向にあります。そこで今回は梅毒の治療について解説していきます。

梅毒の原因

梅毒の原因は梅毒トレポネーマ・パリダムという病原体です。主に性行為によって感染します。キスなどの性的接触によっても感染するため、コンドームを使用したからといって完全に梅毒感染を防げるというわけではありません。また、稀に食器、衣類、カミソリなどから感染することもあるため、注意が必要です。

粘膜や皮膚の小さな傷口から感染していき、全身の器官が侵されてしまう危険な感染症なのです。

梅毒の症状

梅毒感染初期には症状が出ないことが多いです。
感染から約3週間で感染した部位にしこりやただれ、できものなどができることがありますが、治療をしなくても症状が消えていきます。
1~3ヶ月経過すると再び手や足、全身に発疹ができます。この症状も何も治療しなくても数週間で消えていきます。
その後、特に症状がないまま何年も経過していきますが、内臓や皮膚では病気の静かに進んでいきます。数十年後に血管や心臓、神経症状が現われることがあります。

つまりは、感染してから1ヶ月以内に出ることがあるしこりやただれなどの症状で梅毒にかかっている可能性を疑うことが重要です。その時点で、梅毒検査をして陽性であれば、治療を行うことができるので、病気の進行を止めることができます。また、パートナーへの感染も防ぐことができるので、少しでもおかしいと思ったら、病院を受診して検査することが重要なのです。

梅毒の治療

梅毒の治療は抗生剤の内服が中心です。ペニシリン系の抗生剤を服用していきます。
梅毒に感染して比較的早期であれば、2~4週間程度の期間で治療は終了します。
感染から1ヶ月が経過してしまって病気が進行している場合には4~8週間程度の期間が必要となります。

梅毒の治療では、内服をしながら何度か通院して検査をします。そして、うまくいっているのか確認しながら治療を進めていきます。
梅毒治療のポイントは処方された薬をしっかりと飲みきることです。薬を飲んでいる途中で症状がなくなることがありますが、自己判断で服用を中止してはいけません。まだ体内には梅毒トレポネーマ・パリダムがいる可能性が高いので、これをしっかりと死滅させることが重要です。自己判断で中止してしまうと完治することなく病気が進行してしまいます。薬の飲み忘れに気をつけながら治療していきましょう。